About Jewelery Coral宝石珊瑚とは
一般的に、「珊瑚」と一括りに呼ばれていますが、宝飾品に使われている「宝石珊瑚」は、
海の生き物が生息する珊瑚礁を形成する「造礁珊瑚」とは異なります。
Feature
①宝石珊瑚の特徴
主に深海に生息する硬質のサンゴで、多くは太陽の届かない海の底でひっそりと生息しています。
その骨格はとても固く、人の歯と同程度の硬度を持ちます。
その周りを磨くと、美しい光沢を放ち、太古の時代から東西問わず宝飾品と愛されてきました。
Grow up
②宝石珊瑚が育つまで
太陽の光の届かない深い海の底で、微小な浮遊物などを捕食してゆっくりと成長します。
その成長にかかる時間は、5~10年で1mm程度。
例えば、キーホルダーなどにする5cm程度の珊瑚でも、250年以上の時間をかけて成長したもので、原木ともなると、想像できないほどの長い時間をかけて形作られています。
その時間に思いをはせると、宝石珊瑚とはまさに、悠久の時間の結晶であり、その貴重さを感じることができます。
With People
③宝石珊瑚とひと
古来より愛されてきた海の宝石、宝石珊瑚は古くから、真珠と並ぶ海の宝石として人々に愛されて来ました。
約2万5千年前のドイツの遺跡でも、珊瑚の玉が発掘され、古代ローマ人は子供の健やかな成長を祈って揺り籠に添え、兵士たち安全を祈り、身に付けて戦に出たといいます。
また、日本でもシルクロードを辿って届いており、地中海の珊瑚が奈良・正倉院の御物として今に伝えられています。
イスラム教やヒンズー教においても、宝石珊瑚は装飾素材を超える重要な意味を与えられて来ました。
Color & Type
宝石珊瑚の色と種類
赤珊瑚
特徴 | 濃い赤色。小さな枝が密集し成長します。 |
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エピソード | この赤色は、ひとに流れる血をイメージさせ、そこから、結婚の際に、家と家、血と血をつなげる意味で、新婦にプレゼントとしてお渡ししていました。 |
桃色珊瑚
特徴 | 赤に近い色から城に近いピンク色まで色調は幅広い。 宝石珊瑚の中で最も大きく成長する。 |
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エピソード | ピンクや、赤と白の間など、多くのバリエーションがあり、同じものが一つもない宝石珊瑚を象徴している。 近年では、アクセサリーやキーホルダーなどにも重宝され、淡くかわいさのある色が人気を博している。 |
白珊瑚
特徴 | 外見は桃珊瑚に似ているが、色調は純白に近いものから、薄い桃色を散らしたもの、また象牙に酷似したものもある。 |
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エピソード | 白く光沢のある珊瑚は、アクセサリーはもちろんのこと、彫刻などにも広く使われる。 高級な光を放つ白珊瑚は、純粋さを表現する。 |
深海サンゴ
特徴 | 白の基調にピンクが混じる、マーブル模様の珊瑚です。 1000mを超える 深海底から水揚げされてきます。 |
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エピソード | ハワイ沖等に多く生息しているが、アメリカが珊瑚の漁を減らしており、近年は流入量が減少しています。 |
Processing
宝石珊瑚の加工と工程
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原木選定
宝石珊瑚の原木の形状、色、質などにより、どのような加工をするかを判断、選定します。
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デザイン
原木の形に合ったイメージを材料にデザインし、形どりをします。
ここで、どのような宝石珊瑚になるかが決まります。 -
カット
電動式のダイヤ盤の切断機を使用してデザインに合わせてカットを行います。
その後、用途に合わせた加工を行います。 -
荒彫り
デザインの形状に合わせて大まかな形に荒く削り取ります。
吉浜サンゴの職人が、手先の感覚をもとにデザインに向けて加工をしていきます。 -
仕上げ彫り
細かい加工を行います。多くの工具を活用しながら、より事前に行ったデザインに近づけていきます。
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仕上げ
希塩酸に製品を浸し、その後水で冷やしたりお湯につけたりする作業を反復することで、宝石珊瑚の本来の光沢を引き出します。
最後に、仕上げ磨きを行い、宝石珊瑚は完成します。